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ペガサス情報誌

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R7.11 ペガサス情報誌 ◆19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件の変更 ◆2024年以降の相続税・贈与税の最新動向とAI調査 ◆年末の年金額が変わるかも?(在職定時改定)

2025年10月30日






扶養認定要件・相続税と贈与税改正・在職定時改定まとめ|ペガサス情報



Contents 1.19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件の変更

令和7年の税法上の見直しを受け、社会保険においても、扶養認定を受ける方(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合の年間収入要件の取り扱いが変わります。税法上の要件とは全く異なりますので、別のものとして再度ご確認下さい。

<令和7年10月1日~の要件>

  • 年間収入150万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)※これまでは130万円未満
  • 同居の場合:収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
  • 別居の場合:収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

<年齢要件(19歳以上23歳未満)の判定について>

年齢要件は、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定します(数え年で確認)。

例えば、令和7年11月に19歳の誕生日を迎える場合には、令和7年の年間収入要件は150万円未満となります。

令和7年9月30日以前に扶養認定済みの19歳以上23歳未満の被扶養者で、年間収入が150万円以上見込まれる場合は削除手続きが必要です。

また、新たに扶養加入する場合も、収入見込みが150万円未満であれば令和7年10月1日~で加入手続きが必要です。

<Q&A>

Q1:学生のみが対象でしょうか。
A.いいえ、学生かどうかは関係なく、年齢で対象となります。ただし、被保険者の配偶者となっている方は対象外です。
Q2:1年間の収入とはその年の1月1日~12月31日の収入を指すのでしょうか。
A.違います。被扶養者となる日から1年間の見込み収入を指しています。

社内での対応ポイント

  • 扶養手続きの見直し
  • 社員への周知
  • 就業規則の確認(家族手当の要件など)

※協会けんぽ以外の健康保険組合に加入している場合は要件が異なる場合がありますので、各組合にご確認ください。

Contents 2.2024年以降の相続税・贈与税の最新動向とAI調査の導入

相続税は人が亡くなったときに亡くなった人(被相続人)の財産をもらった人(相続人)が払う税金です。一方、贈与税は、生前に財産をあげた・もらった場合に、もらった人(受贈者)が払う税金です。相続税・贈与税の最新トピックを紹介します。

① 生前贈与加算のルール変更

2024年1月1日以降、生前贈与した財産の価額(暦年課税)を相続時に相続財産に加算する期間が、従来の「相続開始前3年以内」から「7年以内」に延長されています。2030年12月31日までの期間は段階的に加算期間が延長され、完全に7年分加算されるのは2031年1月1日以降の相続からとなります。
同時に、延長された4年間(相続開始前3年超7年以内)の贈与については、合計100万円まで相続財産への加算から控除されます。

② 相続時精算課税制度に基礎控除が新設

相続時精算課税制度により行われた贈与については2500万円の贈与税非課税枠がありますが、その非課税枠とは別に、2024年1月1日からは、相続時精算課税制度を選択した場合でも年間110万円の基礎控除が適用されるようになりました。また、この110万円の基礎控除分は、相続時の持ち戻しの対象外となります。①、②の改正は既に適用されておりますが、次の③については今年夏から新たに始まった情報になります。

③ 相続税調査にAI活用が本格導入

今年夏から実施する相続税の税務調査などに人工知能(AI)を活用すると、国税局よりメディアを通して発表されました。相続税の申告書や財産状況が分かる資料などをAIで分析、申告漏れの可能性をスコア化して、調査対象者の選定を行うというものです。

AIが分析するデータ

  • 国税庁によると、AIでの分析対象となるのは2023年に発生した相続事案が中心となるそうです。具体的には、相続税の申告書や一定規模以上の資産を持つ人が提出する財産債務調書、海外送受金を記録した資料、生命保険の一時金の支払調書や金地金を売却した際の支払調書などをAIで分析したうえで、過去に相続税で申告漏れなどが生じた案件から、不正や申告ミスが生じる傾向を見つけ出し、AI分析のためのデータとして活用します。
  • スコア判定で見える化

  • 納税者から提出された申告書に対して、国税庁がAIでデータを分析し、0から1の間で「リスクスコア」を付けます。スコアが1に近いほど、申告漏れの可能性が高いと判定され、調査に移行する可能性が高いようです。
  • 調査機会は一度限り

  • 相続税の申告は、人が亡くなった時に一度だけ行うものであり、所得税や法人税のように年1回の継続的な申告があるわけではないので、調査機会は一度限りです。国税庁は調査したいターゲットを逃すまいとしています。
    AIの導入によって、これまで人手に頼っていた調査対象の選定作業が、大幅に効率化され、調査の精度とスピードがあがることが予想されます。

あなたの相続税申告、リスクはありませんか?

2025年には団塊世代がすべて75歳以上となり、相続件数が増加します。現金や預貯金、不動産、有価証券などの財産はもちろん、名義預金やタンス預金ももれなく正確な申告が重要です。また土地や建物などの不動産、非上場株式などは、評価の方法を熟知していないと評価額を間違えてしまうこともあります。

ペガサスコンサルティンググループ 税理士法人ペガサスでは、生前贈与や相続税申告のお手伝いをしております。

Contents 3.年末の年金額が変わるかも?(在職定時改定)

年末が近づき、12月に支給される年金額に変化があるかもしれません。65歳以上で働いている方は「在職定時改定」により年金額が増える可能性があります。2022年から始まったこの制度は、働く高齢者にとって重要な制度です。

これまで年金額の見直し(改定)は、退職したときや70歳になったときなどのタイミングでしか行われませんでした。つまり、65歳以上で厚生年金に加入して働き年金をおさめていても、退職するまではその分が年金額に反映されない仕組みでした。「働いても年金が増えないの?」という声に応える形で導入されたのが「在職定時改定」です。この制度は65歳以上で厚生年金に加入している方が対象です。毎年9月1日時点で被保険者である場合、その前年度(9月~当年8月)の納付状況をもとに、10月分からの年金額が自動的に見直されます。改定は年1回、12月に支給される年金(10,11月分)から反映されます。

年金が増えると聞くと期待してしまいがちですが、実際の増加額はそれほど大きくはなく、月額で数百円から数千円のケースが多く、劇的な変化とは言えないのが現実です。それでも、働いた分だけ年金額が増える可能性があることは、働く意欲につながるのではないでしょうか。

働きながら年金を受け取る場合は、収入により年金の一部が支給停止となる「在職老齢年金制度」が適用されることもあるため、気になる方は事前に確認しておくと安心です。この機会に、ご自身の年金額を確認してみるのはいかがでしょうか?
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Pegasus情報誌25-11

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