社会保険加入拡大のための支援策「保険料調整制度」について
目次
社会保険加入拡大のための支援策
「保険料調整制度」について
年収106万円、130万円といった「年収の壁」を意識して、シフトを調整したり、昇給や勤務時間の増加を断ったりする「就業調整」は、多くの職場の悩みになっています。
こうした背景から、「社会保険の適用を広げるだけでなく、加入による手取り減をできるだけ小さくし、安心して働く時間を伸ばせるようにする」ことを目的とした支援策が今年の10月から新たに用意されていますのでご紹介します。

▶どのような制度?
新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者が就業調整せず働けるよう、制度の利用から通算3年間、対象となる従業員の社会保険料を軽減します。事業主は軽減分を一時的に負担する必要がありますが、一定期間経過後にその負担分が支援されるため、最終的に事業主が納付する保険料は増えず、従業員が将来受け取る年金額にも影響はありません。
▶対象となる事業所は?
次の①または②の事業所が対象となります
- 2026年10月1日以降、任意特定適用事業所(労使の合意により、任意で短時間労働者(パート・アルバイトの方)を社会保険の加入対象とした適用事業所)になると、保険料調整制度の対象となります。
- 原則として今後、社会保険の適用拡大により短時間労働者が加入対象となる事業所が対象です。
▶対象となる従業員は?
以下の3つの条件にすべて当てはまる短時間労働者が対象です。
- 週の所定労働時間が20時間以上(フルタイムの3/4未満)
- 月収が13万円未満(標準報酬月額が12.6万円以下)
- 学生ではない
従業員側から見ると、社会保険に入っても手取りの減り方が小さくなり、「壁」を理由に働き方を抑えなくてもよい方向に近づきます。
企業側から見ると、短時間労働者の保険料負担を軽くするための一時的な肩代わりをしても、最終的には制度全体で調整されるため、実質的な負担増が生じないように配慮されています。今後、短時間労働者への社会保険適用は広がる方向ですが、「保険料調整制度」のように中小企業向けの支援策も揃えられています。これを機に、
- 自社で利用できる支援策は何か?
- 配偶者手当など、自社の制度が就業調整の要因になっていないか?
といった点を確認しながら、「壁に縛られずに働ける職場づくり」を進めていくことが、人材確保にもつながっていきます。ご質問やご相談の際にはお気軽に担当者までお声掛けください。
