従業員への賞金、賞品、記念品は税務上どうなる?課税・非課税のポイントを解説
目次
はじめに
社内コンテストで優秀な従業員に賞金を渡したり、会社に大きく貢献した従業員に奨励金を支給したり、表彰の際に賞品を贈ったりすることがあります。
従業員の頑張りを称え、モチベーションを高めるための素晴らしい取り組みですが、税務上は注意が必要です。会社から従業員に金銭や物品を渡した場合、その内容によっては「給与」として所得税の課税対象となります。
一方で、創業記念品や永年勤続表彰の記念品など、一定の要件を満たすものについては、給与として課税されない(非課税)場合もあります。
この記事のポイント
✅社内コンテストの賞金・賞品:現金・物品を問わず原則「給与課税」
✅創業記念品・永年勤続表彰:一定の要件を満たせば「非課税」
✅商品券やカタログギフト:選択性・換金性があるため「課税対象」になりやすい
1.社内コンテストの賞金・賞品は原則「給与所得」
税務上の「給与」とは、毎月の基本給やボーナスだけを指すわけではありません。会社から労働の対価や、勤務成績・業務上の成果に対して受ける経済的利益のすべてが含まれます。
業務上の貢献や成果に対する支給は「臨時ボーナス」と同じ扱い
社内コンテスト(営業成績優秀者の表彰、業務改善提案、社内デザインコンテストなど)の賞金は、仕事における貢献や成果に対して支払われるものです。そのため、実質的に「臨時ボーナス」と同じ性質を持つと判断されます。
商品券やギフトカード、高価な電化製品も課税対象
「現金ではなく商品券やカタログギフト、旅行券、高価な電化製品を渡したから給与ではない」とはみなされません。これらも労働や業務に対する経済的利益の供与とみなされるため、金額の大小にかかわらず給与課税の対象となります。
2.創業記念品や永年勤続表彰は「非課税」にできる場合がある
労働の対価とは扱われず、それぞれの要件をすべて満たしていれば、給与所得には該当しません(非課税となります)。(所基通36-15、36-21~22、平元直法6-1)
① 創業記念品などの非課税要件
1)支給する記念品が社会一般的にみて記念品としてふさわしいものであること
2)記念品の処分見込価額による評価額が1万円以下であること
3)創業記念のように一定期間ごとに行う行事で支給するものは、おおむね5年以上の間隔で支給するものであること
② 永年勤続表彰(記念品・旅行・観劇への招待費用)の非課税要件
1)その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であること
2)勤続年数がおおむね10年以上である人を対象にしていること
3)同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいていること
【注意】選べるギフトや商品券は非課税にならない?
税務上の「記念品」とは、市場への売却性・換金性がなく、選択性も乏しく、金額も多額ではないものを指します。
カタログギフトや商品券のように換金性の高いものは、会社から支給された金銭でその品物を購入した場合と同様の効果をもたらすため、非課税となる従業員に対する記念品には該当せず、給与課税の対象となります。
3.結婚祝金や香典などの慶弔金について
慶弔的な支給についても、社会通念上相当な範囲内であれば、給与所得には該当しません(非課税扱いとなります)。
まとめ:事前に支給の目的と性質を確認しておきましょう
従業員に対して賞金や賞品を支給した場合、支給された目的や性質によって「課税」「非課税」が分かれます。
「現金ではなく賞品だから大丈夫」と一律に判断するのではなく、税務上の取り扱いについて事前に確認をしておきましょう。具体的な支給計画や判断に迷うケースがございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。
