ハラスメントを恐れて、必要な指導をためらっていませんか? お役立ち情報 労務 ペガサス情報誌 2026年11月02日 ハラスメントを恐れて必要な指導をためらっていませんか?|社会保険労務士事務所 目次 ハラスメントを恐れて、必要な指導をためらっていませんか?働く側にも、求められることがあります適切な業務指導はハラスメントではない管理職だけでなく、従業員にも共通認識を ハラスメントを恐れて、必要な指導をためらっていませんか? 働き方改革やハラスメント防止への意識が高まり、労働者の権利が以前よりも強く意識されるようになりました。 一方で、経営者や管理職からは、「従業員に注意するとハラスメントと言われそう」「どこまで仕事を要求してよいのか分からない」といった声を聞きます。 しかし、ハラスメントを恐れるあまり、必要な業務上の指示や注意までためらってしまうことは、適切な労務管理とはいえません。 働く側にも、求められることがあります 労働契約では、会社が賃金を支払う義務を負う一方、労働者にも契約に従って労務を提供する義務があります。 例えば、担当する業務を会社が定めた手順や方法に従って行うこと、必要な報告・連絡・相談を行うこと、他の従業員と協力して業務を進めること、合理的な業務上の指示に従うことなどが求められます。 もちろん、会社からの指示であれば何でも従わなければならないということではありません。しかし、「自分の希望と違う」「やりたくない」という理由だけで、合理的な業務上の指示を拒否できるわけでもありません。 適切な業務指導はハラスメントではない では、上司が部下に仕事を指示したり、ミスを注意したりすることが、すぐにパワーハラスメント(以下パワハラ)になるのでしょうか。 パワハラは、法律上、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超え、③労働者の就業環境を害するもの、とされています。 そのため、業務上必要な指示や注意をすること自体が問題なのではありません。 例えば製造現場で、作業手順を守らずに作業している従業員に対し、上司が 『この作業は手順③を確認してから行うことになっています。今回も手順③を飛ばしていたので、次回から必ず確認してください』 と注意したとします。 本人が「厳しく注意された」「嫌な気持ちになった」と感じたとしても、業務上必要な事項について、具体的な事実に基づいて改善を求めているのであれば、それだけでパワーハラスメントになるわけではありません。 一方、 『何回言ったら分かるんだ。こんな簡単なこともできないのか』 など、業務上の問題を超えて人格や能力そのものを否定するような言動になれば、問題となる可能性があります。 つまり、同じ「注意」という行為でも、目的、必要性、場面、頻度、態様などによって評価は変わります。 管理職だけでなく、従業員にも共通認識を ここで特にお伝えしたいのは、ハラスメントについての共通認識は、管理職だけが持っていればよいものではないということです。 管理する側だけが「何がハラスメントに当たるのか」を学んでも、従業員側がその考え方を理解しておらず、「注意された=ハラスメント」と受け止められるなど、双方の認識のズレによりトラブルが生じているケースもあります。 大切なのは、管理職に「ハラスメントをしないように」と求めるだけではなく、従業員に対しても、適切な業務指導とは何か、また、働く側にはどのような責任があるのかを、具体的に伝えることです。 双方が同じ基準を理解することが、ハラスメントを恐れすぎず、必要な指導を適切に行える職場環境につながります。 当事務所では、こういった内容も含んだハラスメント防止研修を実施しておりますので、ぜひご検討ください。
目次 ハラスメントを恐れて、必要な指導をためらっていませんか?働く側にも、求められることがあります適切な業務指導はハラスメントではない管理職だけでなく、従業員にも共通認識を ハラスメントを恐れて、必要な指導をためらっていませんか? 働き方改革やハラスメント防止への意識が高まり、労働者の権利が以前よりも強く意識されるようになりました。 一方で、経営者や管理職からは、「従業員に注意するとハラスメントと言われそう」「どこまで仕事を要求してよいのか分からない」といった声を聞きます。 しかし、ハラスメントを恐れるあまり、必要な業務上の指示や注意までためらってしまうことは、適切な労務管理とはいえません。 働く側にも、求められることがあります 労働契約では、会社が賃金を支払う義務を負う一方、労働者にも契約に従って労務を提供する義務があります。 例えば、担当する業務を会社が定めた手順や方法に従って行うこと、必要な報告・連絡・相談を行うこと、他の従業員と協力して業務を進めること、合理的な業務上の指示に従うことなどが求められます。 もちろん、会社からの指示であれば何でも従わなければならないということではありません。しかし、「自分の希望と違う」「やりたくない」という理由だけで、合理的な業務上の指示を拒否できるわけでもありません。 適切な業務指導はハラスメントではない では、上司が部下に仕事を指示したり、ミスを注意したりすることが、すぐにパワーハラスメント(以下パワハラ)になるのでしょうか。 パワハラは、法律上、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超え、③労働者の就業環境を害するもの、とされています。 そのため、業務上必要な指示や注意をすること自体が問題なのではありません。 例えば製造現場で、作業手順を守らずに作業している従業員に対し、上司が 『この作業は手順③を確認してから行うことになっています。今回も手順③を飛ばしていたので、次回から必ず確認してください』 と注意したとします。 本人が「厳しく注意された」「嫌な気持ちになった」と感じたとしても、業務上必要な事項について、具体的な事実に基づいて改善を求めているのであれば、それだけでパワーハラスメントになるわけではありません。 一方、 『何回言ったら分かるんだ。こんな簡単なこともできないのか』 など、業務上の問題を超えて人格や能力そのものを否定するような言動になれば、問題となる可能性があります。 つまり、同じ「注意」という行為でも、目的、必要性、場面、頻度、態様などによって評価は変わります。 管理職だけでなく、従業員にも共通認識を ここで特にお伝えしたいのは、ハラスメントについての共通認識は、管理職だけが持っていればよいものではないということです。 管理する側だけが「何がハラスメントに当たるのか」を学んでも、従業員側がその考え方を理解しておらず、「注意された=ハラスメント」と受け止められるなど、双方の認識のズレによりトラブルが生じているケースもあります。 大切なのは、管理職に「ハラスメントをしないように」と求めるだけではなく、従業員に対しても、適切な業務指導とは何か、また、働く側にはどのような責任があるのかを、具体的に伝えることです。 双方が同じ基準を理解することが、ハラスメントを恐れすぎず、必要な指導を適切に行える職場環境につながります。 当事務所では、こういった内容も含んだハラスメント防止研修を実施しておりますので、ぜひご検討ください。