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【全3回】相続と贈与の基本をやさしく解説!基礎知識から土地評価・生前贈与の対策まで

第1回:【基礎編】うちも対象?相続税の仕組みと「基礎控除」の計算方法

 

はじめに:相続と贈与は「セット」で考えるのが鉄則

相続対策を考える際、まず押さえておきたいのが「相続税」と「贈与税」は表裏一体の税金であるということです。

相続税は「亡くなったとき(事後)」に課される税金であり、贈与税は「生前(事前)」に財産を移転したときに課される税金です。生前対策(贈与)を行うことによって将来の相続税の課税価格を減らすことができるため、この2つを切り離して考えることはできません。トータルの税負担を最小限にするためには、生前からの一貫した設計が不可欠です。

 

「うちは資産家ではないから関係ない」という誤解の危険性

近年の地価や預貯金の状況、そして何より基礎控除の引き下げ(2015年1月改正)により、都心部や地方郊外を問わず、「一般的な一戸建ての自宅と少しの預貯金があるご家庭」であっても、十分相続税の課税対象になるケースが増えています。「うちは大丈夫」と対策を放置した結果、残された家族が多額の納税や不動産の分割に頭を悩ませる事例が後を絶ちません。相続は「一部の富裕層の問題」ではなく、誰にでも確実に訪れる実務的な問題です。

相続税の基本:「誰に」「いくらから」かかるのか?

相続税の対策や計算を始めるにあたり、まずは「そもそも誰に、どのような財産にかかるのか」という基本の仕組みを正確に把握しておく必要があります。

1.基礎控除のルール(非課税枠の計算方法)

相続税は、遺されたすべての財産に対して無条件にかかるわけではありません。「国が定めた非課税枠(基礎控除)」の金額を超えた場合にのみ、超えた部分に対して課税されます。

【基礎控除額の計算式】

3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

【計算の具体例】(配偶者と子ども2人が相続人の場合) 法定相続人の数は「3人」になります。

この場合、遺された財産の合計が4,800万円以下であれば、相続税はかからず、税務署への申告も原則として不要です。

 

2.見落とし注意!「プラスの財産」と「マイナスの財産」

①相続財産にはどんなものがある?(プラスの財産)

相続税の計算では、亡くなった人が遺したすべての「プラスの財産」が対象となります。現金や預貯金だけでなく、次のようなものももれなくカウントしなければなりません。

    ・現金・預貯金:普通預金、定期預金などのほか、自宅で保管していたタンス預金や、実質的に故人の資金である「名義預金」も対象となります。

    ・不動産(土地・建物):自宅の土地・建物、賃貸アパート、別荘、地方の山林など。

    ・有価証券:上場株式、投資信託、国債など。

    ・その他の形ある資産:自動車、ゴルフ会員権、貸付金など。

    ・「みなし相続財産」:本来は遺産ではありませんが、税法上カウントされるものとして、一定の非課税枠を超える生命保険金や死亡退職金があります。

 

②プラスの財産から「マイナスの財産」は差し引ける(債務控除)

相続財産を計算する際は、プラスの財産を足し合わせるだけでなく、故人が残した「マイナスの財産(借金など)」を差し引くことができます(債務控除)。

    ・銀行からの借入金、住宅ローン、事業者としての借入金

    ・クレジットカードの未決済分、未払いの医療費

    ・亡くなるまでに納めるべきだった固定資産税や所得税などの未払い分

【注意点】お墓や仏壇などを購入するためのお墓のローンなどは、祭祀財産に関する費用とみなされ、債務控除の対象外となります。また、団体信用生命保険(団信)がついている住宅ローンは、死亡時に自動的に完済されるためマイナスにはなりません。

 

まとめ

ご自宅の不動産と預貯金を合わせると、基礎控除の金額を超えてしまうご家庭は少なくありません。「うちには関係ない」と判断する前に、まずは一度プラスの財産とマイナスの財産を整理してみることが大切です。

 

 

次回(来月掲載予定)は、「土地や建物、株式などの財産はどのように評価額を算出するのか?」という実務的な評価方法について解説します。

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