image

お知らせ

News

役員借入金が多額になっていませんか?

役員借入金が多額になっていませんか?
~将来の相続・事業承継を見据えて確認しておきたいポイント~

1.役員借入金とは?

 役員借入金とは、役員(経営者)個人が自分の会社にお金を貸し出している状態をいいます。創業時や資金繰りが厳しい時期、事業拡大のために資金が必要となった時など、経営者が個人の資金を会社に投入した時に発生します。
 金融機関からの借入れとは異なり、返済時期を柔軟に設定できるなど、会社にとって資金繰りを支える有効な手段となる場合もあります。したがって、役員借入金があること自体が問題というわけではありません。
 一方で、長年にわたり返済されず、その残高が多額になっている場合には、将来の相続や事業承継を見据えて、内容を確認しておくことが大切です。

2.多額になった場合、なぜ確認が必要なのでしょうか?

 会社から見れば「役員から借りているお金」ですが、経営者個人から見れば、会社に対する「貸付金」という財産になります。そのため、経営者に相続が発生した場合には、その役員借入金も相続財産として取り扱われます。
 役員借入金の残高が多額になっている場合には、

①相続税への影響だけでなく、
②会社が将来その借入金を返済できるのか、
③誰が会社を引き継ぐのか、
④相続人の間でどのように財産を分けるのか

といった問題も関係してきます。
 ただし、役員借入金があるすべての会社に問題が生じるわけではありません。借入金の金額、会社の財務状況、経営者の年齢、後継者の有無などによって、検討すべき内容は大きく異なります。

3.「そのままでよい」のか、「対策を考えるべき」なのか

 役員借入金については、必ずしも減額や整理をしなければならないわけではありません。借入金の金額がそれほど大きくない場合や、会社に十分な返済能力がある場合、相続税への影響が限定的な場合などには、現状のままでも問題がないケースがあります。
 一方、役員借入金が長年積み上がり多額になっている場合や、近い将来に相続・事業承継が想定される場合、会社に十分な返済能力がない場合などには、将来の影響を確認したうえで対応を検討した方がよいこともあります。
 大切なのは、「役員借入金があるから対策が必要」と考えるのではなく、「自社の状況では、将来どの程度の影響があるのか」を確認することです。

4.対策方法は一つではありません

 役員借入金への対応には、さまざまな選択肢があります。①そのまま残しておく、②会社から計画的に返済する、③相続や事業承継の方法と合わせて検討する、④会社の財務内容を踏まえて整理方法を検討する、といった方法があります。
 債務免除や資本への振替などの方法が検討されることもありますが、これらの方法には法人税、相続税、贈与税など別の税務上の影響が生じる場合もあります。
 そのため、「役員借入金があるから、この方法で処理すればよい」という一律の答えはありません。会社の財務状況、借入額、株式の状況、相続人や後継者の構成などを総合的に考えながら、その会社に合った方法を検討することが大切です。

5.まずは現在の状況を確認しましょう

検討する際には、まず次のような点を確認しておくとよいでしょう。

□ 現在の役員借入金はいくらあるか
□ その金額は年々増えていないか
□ 会社には将来返済する力があるか
□ 今後、事業承継を予定しているか
□ 相続が発生した場合、どのような影響が考えられるか

 役員借入金は、会社経営を支えるために生じたものであり、必ずしもマイナスのものではありません。大切なのは、問題が起きてから考えるのではなく、まず貴社の状況を把握し、将来どのような影響があるのかを確認しておくことです。早めに状況を整理しておくことで、将来の選択肢を広げることにもつながります。
 役員借入金の取り扱いは、会社ごとの状況によって最適な方法が異なります。気になる場合には、税務や事業承継の当グループへ相談し、貴社に合った方向性を検討することをおすすめします。

error: Content is protected !!