最低賃金の引き上げと助成金
目次
静岡県の最低賃金が57円引き上げ|10月15日発効と助成金の活用
静岡県の最低賃金は、今回57円引き上げられ、新しい最低賃金は10月15日から発効します。
昨年度の63円には及ばないものの、過去二番目となる大幅な引き上げです。
最低賃金に近い時給でパートやアルバイトを多く雇用している企業にとっては、今回の改定は人件費に大きな影響を与えることが予想されます。
そこで今回は、最低賃金の引き上げに伴う賃上げを行う企業が活用を検討したい
「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)」
についてご紹介します。
静岡県の最低賃金は57円の大幅引き上げ
静岡県の最低賃金の引き上げ額は57円で、新しい最低賃金の発効日は10月15日です。
昨年度の引き上げ額である63円よりは低いものの、今回も企業にとっては大きな負担となる水準です。
特に、最低賃金に近い時給の従業員を多く雇用している企業では、複数の従業員の賃金を一斉に引き上げる必要があるため、人件費への影響は決して小さくありません。
時給が57円上がるとなると、パートやアルバイトなど最低賃金に近い賃金で働く従業員を多く雇用している企業では、月々の人件費、さらには年間の人件費にも大きな影響が出てきます。
これまでと同じ方法で、同じサービスや品質を維持していくためには、価格転嫁や値上げを進めていく必要があります。
しかし、実際には簡単に価格へ転嫁できない業種も多く、最低賃金の上昇分を十分に吸収できない企業も少なくないのではないでしょうか。
最低賃金の引き上げには助成金の活用を検討
そこで活用を検討したいのが、賃上げに関する助成金です。
最低賃金に近い時間単価の従業員を雇用している企業では、最低賃金の引き上げに伴い、賃金を引き上げる必要があります。
その際、最低賃金の発効日より前に賃上げを実施することで、助成金を活用できる可能性があります。
どのみち最低賃金の改定によって賃上げが必要になるのであれば、賃上げのタイミングや必要な手続きを適切に行うことで、助成金の活用につなげることができる可能性があります。
最低賃金の発効日前に賃上げを行うことがポイント
具体的なケースで考えてみましょう。
例えば、給与の締め日が15日締めの企業の場合、9月16日以降の給与について賃上げを行うケースがあります。
今回の最低賃金の発効日は10月15日ですので、実際の最低賃金の発効日より前に賃金を引き上げることになります。
このように、最低賃金の発効日前に賃上げを行うことは、企業の給与計算上、決して珍しいことではありません。
むしろ、締め日との関係から、通常の給与処理の中で前倒しして賃金改定を行う企業も多いのではないでしょうか。
このような場合、助成金の要件に該当する可能性があります。
ポイント:最低賃金の引き上げによって賃上げが必要になる企業は、「いつ賃上げを実施するのか」を確認することで、助成金を活用できる可能性があります。
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)とは
最低賃金の引き上げに伴う賃上げで活用を検討したい助成金の一つが、
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)です。
キャリアアップ助成金は、パート、アルバイト、契約社員などの非正規雇用労働者の処遇改善やキャリアアップを支援する制度です。
比較的活用される機会の多い助成金ですが、特に最低賃金の引き上げ時に検討したいのが、この賃金規定等改定コースです。
主な要件は非正規雇用労働者の賃上げ
主な要件の一つとして、非正規雇用労働者の賃金を、就業規則や賃金規程などに基づいて3%以上引き上げることが求められます。
また、賃上げ率によって助成額が変わります。
一見すると、「賃金を上げることで人件費が増えるため、助成金を受給できても負担が大きいのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、最低賃金の引き上げによって、もともと賃上げが必要になる企業の場合、最低賃金の発効日前に前倒しして賃金を引き上げることで、助成金の主な要件を満たす可能性があります。
つまり、最低賃金の引き上げによって避けられない賃上げを、助成金の活用につなげることができれば、企業にとっては非常に有効な選択肢となります。
キャリアアップ助成金は細かな要件に注意
ここまで聞くと、比較的簡単に活用できる助成金のように感じられるかもしれません。
しかし、実際には細かな要件が数多くあります。
特にキャリアアップ助成金は、多くの企業で活用されている人気の助成金であるため、制度上の要件や手続きも非常に細かく定められています。
例えば、賃上げを行えば必ず助成金が受給できるわけではありません。
対象となる従業員の範囲、賃金規定の改定方法、賃上げの割合、賃上げのタイミング、必要な事前手続き、申請期限など、複数の要件を満たす必要があります。
このような細かな要件があるため、自社だけで判断して賃上げを実施してしまうと、「賃上げは行ったものの、助成金の対象にならなかった」ということにもなりかねません。
助成金の活用を検討する場合には、賃上げを実施する前に、制度の対象となるかどうかを確認することが重要です。
最低賃金の発効前に早めの相談をおすすめします
今回の静岡県の最低賃金は、57円という大幅な引き上げとなります。
最低賃金に近い賃金のパート・アルバイト・契約社員を多く雇用している企業では、早めに対象者を確認し、人件費への影響を把握する必要があります。
また、最低賃金の発効日前に賃上げを行う予定がある場合には、キャリアアップ助成金などの活用ができる可能性があります。
ただし、助成金には事前の準備やスケジュール管理が必要となる場合があります。
検討を始めるタイミングが遅くなると、制度上、活用が難しくなることもあります。
最低賃金対策・賃上げ助成金についてご相談ください
「最低賃金の引き上げで、どのくらい人件費が増えるのか知りたい」
「キャリアアップ助成金の対象になるのか確認したい」
「最低賃金の発効日前に賃上げをする予定だが、助成金を活用できないか」
このようなご相談がございましたら、早めに担当者までお問い合わせください。
最低賃金の改定前に対応することで、賃上げによる人件費負担を少しでも軽減できる可能性があります。
