R7.8 ペガサス情報誌
2025年08月09日
目次
今月の行事とお知らせ
夏季休業のお知らせ
誠に勝手ながら8月9日(土)から17日(日)まで夏季休業とさせていただきます。
Contents 1.新助成金について
令和7年7月1日より、厚生労働省は「年収の壁」問題に対応するため、キャリアアップ助成金に、新たに「短時間労働者労働時間延長支援コース」を創設しました。
この制度は、パートやアルバイトといった短時間労働者の社会保険加入と労働時間の延長を同時に進めた事業主に対し、最大75万円(1人あたり)を支給するものです。
事業主にとっては人手不足の解消、労働者にとっては年収の壁を気にせずに収入を増やすことができる制度として注目できます。
◆ 制度の概要とポイント
この助成金は、社会保険の適用拡大に伴い、働く側が「年収の壁」を理由に就業調整することを防ぎつつ、安定的な雇用の確保と賃金引上げを支援する制度です。
対象は、社会保険に未加入の短時間労働者で、社会保険の加入日の6か月以上前から継続雇用されている労働者です。
助成を受けるには、①社会保険への新規加入 ②労働時間の一定時間以上の延長(週2時間以上) ③賃金の一定割合以上の引き上げ(最低5%以上、ただし延長が週5時間以上であれば賃上げは不要) が必要です。
◆ 支給額
支給額は、企業規模によって異なります。企業規模が小さくなるほど手厚く設定されています。たとえば、小規模企業(従業員数30名以下)で週5時間以上の労働時間延長を行った場合は、1人あたり50万円の助成が受けられます。
さらに、複数年かけて取り組みを進める場合は、追加で最大25万円が支給されます。具体的な要件と支給額は以下の通りです。
◆ 申請の流れ
まずは、社会保険加入前日までにキャリアアップ計画書の作成・提出をおこないます。キャリアアップ助成金は全てのコースで、取組(正社員化や制度改定など)より前に計画を出しておくことが必要になります。
次に、社会保険への加入と労働時間延長(場合によっては賃金の引き上げ)を実施します。
その後、6か月間、雇用と取組の継続をします。これで申請を行っていく事が出来ます。もともと社会保険に加入するつもりがあり、会社としても入ってもらいたい従業員であれば、ほとんどリスクなく助成金を受けることができると言えます。
◆ 企業にとってのメリット
- 人手不足の解消:社会保険加入を前提に、安定した人材確保が可能
- 最大75万円の助成:経済的メリットも大きく、計画的に活用しやすい制度
◆ まとめ
この助成金は「年収の壁」を超えてしっかり働いて稼いでいきたいという従業員の方がいれば、人手不足に悩む中小企業にとって、非常に使いやすい制度だと思います。
現在、扶養範囲内で働いている方の中で、労働時間を延ばしていきたいという方がいないか、一度、確認してみてはいかがでしょうか。 (粟津)
Contents 2.設備投資に使える助成金とは?
雇用保険に加入している事業所で、労働者の働き方改革か賃金改定を行うことで設備投資に使うことができる、厚生労働省の助成金を2つご紹介します。
1.働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は4つのコースがあり、企業の課題に合わせて対象となる取り組みを行い、改善の成果を上げた事業主に対してその経費の一部を助成する、という制度です。
企業の生産性を向上させ、時間外労働の削減、週休2日制の推進、年次有給休暇や特別休暇の促進等に向けた環境整備に取り組み、労働時間の設定の改善を目的としています。
対象となる設備投資は取り組む内容によって異なり、事前の計画提出・認定が必要です。具体的な取り組み内容に応じて助成金額が決まるため事前に制度概要や募集要項をよく確認してください。
各コースの成果目標、助成金額は下記の通りです。
交付申請書の提出締切:令和7年11月28日まで
事業実施:令和8年1月30日まで ※予算額に制約がありますので締め切り前に終了する場合があります。
2.業務改善助成金
業務改善助成金は、事業場内で最も低い労働者(雇用期間6カ月以上)の賃金(時間給)を30円以上引上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。
助成対象となる経費は一般事業者と特例事業者で異なるものもありますが、生産性向上に資する設備投資に対して助成されます。
交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象となりません。
同一事業場の申請は年度内1回までです。 (村田)
Contents 3.マイナ免許証が始まりました
マイナ保険証に続き、令和7年3月24日よりマイナンバーカードと運転免許証が一体化した「マイナ免許証」が始まりました。
今までの運転免許証から「マイナ免許証」へ変わることにより企業にどのような影響が考えられるでしょうか。業務で車両を使用する企業様以外でも従業員が通勤に車両を使用する場合や入社時の本人確認のために運転免許証のコピーを提出してもらっている企業様がほとんどではないでしょうか。
今まで運転免許証のコピーを提出してもらう事で目視確認できていた情報は「マイナ免許証」ではICチップに記録されているため、券面には表示されていません。ただし、マイナ免許証の新規取得や更新の際にはICチップに記録した情報を印刷した書面が交付されるようです。この「免許情報記録確認」を保存しておけば、書面での確認が可能です。
マイナ免許証が始まりましたが可能であれば従業員に従来の免許証かマイナ免許証との2枚持ちをお願いしたいですね。
下記にマイナ免許証についての情報を記載しますので参考にしてみてください。
【情報の確認方法】
- ICカードリーダーで読み取る
- 読み取りアプリを使用
- マイナーポータルを経由
- マイナ免許証の新規取得、更新時に交付される情報を印刷した書面
【確認できる情報】
- マイナ免許証の番号
- 運転免許取得年月日とマイナ免許証の有効期間の末日
- 運転免許の種類 (普通、大型、二輪など)
- 運転免許の条件に係る事項 (AT限定、眼鏡、補聴器など)
- 運転免許用顔写真 (モノクロ)
- 運転免許証の色区分 (優良(ゴールド)、新規 (若草色)、その他(青色))など
【免許証の持ち方】
- マイナ免許証のみ
- 運転免許証とマイナ免許証の2枚持ち
- 運転免許証のみ
【メリット】
- 更新手数料が安くなる
- 更新時講習がオンラインで受講可能になる(優良・一般のみ)
- 住所変更等がワンストップサービスで行える(氏名、住所等)
- 住所地以外の免許センターで行う免許証の更新の申請期間延長
【デメリット】
- マイナンバーカードを紛失すると免許証も使用できなくなり再発行に時間がかかる
- 券面に免許証情報が表示されない
- マイナンバーカードと免許証の有効期限が異なる
(安間)